【書評】人はなぜ依存症になるのか
読む動機
- 人はなぜモチベーションが高い時と低い時があるのか
- 人にはなぜ新しいことへの挑戦意欲が高い人と現状維持を選ぶ人がいるのか
- 欲求理論などの心理学の観点ではなく依存症の観点からの洞察(自己治療仮説)を得るために読む
自己治療仮説
- 心理的な痛みこそが依存症や嗜癖行動の中心的問題である。困難や苦悩を抱えた人は、その物質や行動が(一時的ではあるが)安らぎをもたらすことを発見してしまったがゆえに、依存性物質や嗜癖行動に頼らざるを得なくなっている。
- 依存症を抱えている人は、決して手探り次第に「気分を変える物質や行為」に手を出しているのではなく、困難や苦悩を緩和するのに役立つ物質や行為(※麻薬などに限るわけではない)を選択している。
- 依存の成立に必要な報酬は、物質がもたらす快感やハイな気分だけに限らない。どう考えても苦痛としか思えないような自己破壊的な行動さえも、それが「説明可能な苦痛」であるがゆえに、「説明困難な苦痛」から意識を逸らすのに有効な場合がある。
メモ書き:具体的な依存対象とそれに対する説明の概要 (本書外)